日本事務器、東京大学 食料・資源経済学研究室、 沼津中央青果と共同研究を開始
~青果物流通における出荷情報のデジタル集約を通じ、 価格形成機能が低下した市場のDXによる改革を目指す~

日本事務器株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田中 啓一、以下「NJC」)は、国立大学法人東京大学大学院 農学生命科学研究科食料・資源経済学研究室(東京都文京区、教授:中嶋 康博、以下「東京大学 食料・資源経済学研究室」)、および沼津中央青果株式会社(本社:静岡県沼津市、代表取締役社長:櫻田 光雄、以下「沼津中央青果」)と、卸売市場取引のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する共同研究を2024年9月より開始しました。

近年、日本国内では「農業生産者の減少」や「市場規模の縮小」といった変化に伴う構造的な問題が顕在化し、食産業の持続可能性が社会的な課題となっています。これらの課題を解決するためには、卸売市場における価格形成プロセスの改善や、サプライチェーン全体における需給バランスの維持が不可欠です。

東京大学 食料・資源経済学研究室は、近代経済学の理論と統計学の手法を基盤に、国内外の農業・食料問題から環境・資源問題に至るまで、幅広い研究と教育を行っています。これまでにも、食料・農業・農村政策のデザインや、フードシステムの地域経済への影響評価、消費者の食品購買と栄養摂取状況など、実践的で多岐にわたる知見を蓄積しており、学術界や政策立案者から高い評価を受けています。

一方、NJCは、農家と市場・青果流通事業者を情報でつなぐ業務改善アプリ「fudoloop(フードループ)」を通じ、国内の生産者や卸売業者との強固なネットワークを築き、食の安定供給を支援してきました。fudoloopは、従来の電話やFaxに代わり生産者からの出荷予定情報やメッセージをスマホで集約し、データとして蓄積・活用することを可能にするデジタルプラットフォームです。これにより、青果物流通のデジタル化と価格安定、さらには業務効率化に成功した実績があります。

今回の共同研究では、fudoloopを導入し、青果物流通のデジタル化と農作物の価格安定や業務効率化を実現した沼津中央青果の実績を基に、東京大学 食料・資源経済学研究室の研究力とNJCのノウハウとのシナジーによって、卸売市場取引のDXに関する研究の進展を目指します。

NJCは、本研究を通して、農作物が供給側と需要側の双方にとって適正な価格で取引されるシステムを普及させ、食産業の持続可能性を高めることを目指しています。今後は、出荷情報のデジタル化が物流問題の解決に寄与することも実証し、青果物流通におけるDXの推進を通じて、生産者や卸売業者の経営基盤の強化や、新たなビジネスモデルの創出に寄与していきます。

共同研究の概要

  1. 期間:2024年9月1日〜2026年3月31日
  2. 共同研究名:「卸売市場取引のデジタルトランスフォメーションに関する調査研究」
  3. 代表者研究統括:東京大学大学院 農学生命科学研究科・准教授 中谷 朋昭
  4. 実施場所:同研究科 食料・資源経済学(中嶋・中谷)研究室
  5. 研究内容
    (1)卸売市場関係者への聞き取り調査等による青果物流通の業務フローの把握と課題析出
    (2)卸売市場におけるDXの態様把握
    (3)DX化により可能となる新たなタイプのデータ収集
    (4)データ解析を通じたDX化の効果分析
  6. 両者の役割  
    ・東京大学 食料・資源経済学研究室:実態調査とデータ収集および統計解析によるDX化の効果分析  
    ・沼津中央青果、NJC:調査対応およびデータ提供

サービス・団体・企業の概要

  • fudoloopについて
  • fudoloopは、食産業の持続可能な社会を支援するサービスとして、2019年に青果流通事業者様並びに生産者様向けに提供開始いたしました。提供開始以来、10,000人を超える生産者様にご利用いただいております。
    詳細情報:https://fudoloop.njc.co.jp/lp/新しいウィンドウが開きます

  • 東京大学大学院 農学生命科学研究科 食料・資源経済学(中嶋・中谷)研究室について
  • 農業・資源経済学専攻にある研究室で、教授・中嶋 康博、准教授・中谷 朋昭により運営されています。農業の主要な産出物である食料を軸に、食料・農業・農村政策、農業生産の基盤となる土地や水資源、生産を行う農業経営体や消費者をはじめ、農業生産資材や流通、食の未来や地球環境まで、幅広い領域を研究対象としています。所属学生は、大学院生8名、学部生10名です。(2024年8月末時点)

  • 沼津中央青果株式会社について
  • 静岡県東部(沼津市)の青果物を取り扱う地方卸売市場です。静岡県産農産物の価値を上げるために、県内全域から独自のネットワークで青果物を集荷しています。大規模な低温卸売場を備え、集荷荷受から販売まで一貫したコールドチェーンシステムによって、「食のインフラ」であり続けるために、従来の市場の枠を超えた「新時代の市場」を目指しています。

    会社名:沼津中央青果株式会社
    代表者:代表取締役社長 櫻田 光雄
    設立:1932年4月
    取引高:100億円(2023年度)
    従業員数:74名
    主要販売先:量販店・スーパー、小売業者、業務・加工筋、EC関連
    URL:https://numachu.com/新しいウィンドウが開きます


  • 日本事務器株式会社について
  • NJCは、2024年に創業100周年を迎えました。1924年に日本事務器商会として創業し、キャビネット、タイプライタ、タイムレコーダ、貨幣計数器などの企業向け輸入事務機器の取り扱いから事業をスタートしています。現在はヘルスケア(医療・健診・介護)、民間企業、文教・公共など、全国各地域の様々な業種・業態のお客様に向け、業務システムや情報系ソリューションなどの多彩なICTソリューションを提供し、お客様の事業推進をサポートしています。

    会社名:日本事務器株式会社
    代表者:代表取締役社長 田中 啓一
    創業:1924年2月
    従業員数:835名(NJCグループ 1,173名)[2024年3月期]
    事業内容:トータルソリューションサービスの提供(コンサルティング、情報システム開発、情報システムの運用と保守)
    本社所在地:東京都渋谷区本町三丁目12番1号 住友不動産西新宿ビル6号館
    URL:https://www.njc.co.jp/新しいウィンドウが開きます

※「fudoloop」は、日本事務器株式会社の商標又は商標登録です。
※ 本資料中の他社製品およびその他記載されている会社名・製品名は、各社の商標または登録商品です。

以 上

[本件に関するお問合せ先]

◆報道関係からのお問合せ先
経営企画部 広報担当/栗田
e-mail:staff@njc.co.jp

◆サービスに関するお問合せ先
事業戦略本部 戦略企画部/fudoloop担当(高松)
e-mail:fudoloop-gr@njc.co.jp