医療情報システム分野でNECと日本事務器が協業を強化
~レセプトオンライン請求時代を見据え、両社500人体制でシステムを拡販~

 日本電気株式会社(注1、以下 NEC)と日本事務器株式会社(注2、以下 NJC)はこのたび、医療情報システム分野で協業を強化し、レセプト(診療報酬明細書)オンライン請求(注3)時代を見据えた事業拡大を図ります。

 

 具体的には、医療機関における患者受付・入院管理・会計・レセプト発行など医療事務の基幹領域において、NECが開発・販売する医療事務システム「MegaOakIBARSⅡ(メガオーク アイバース セカンド)」(注4)の中核エンジン(中核ソフトウェアモジュール)をNJCにライセンス提供します。NJCは、このモジュールを中堅規模の医療機関向けに実績のある同社製システム「MAPSシリーズ」に搭載し、「MAPSIBARS(マップス アイバース)」の名称で新たに製品化して、本日より販売を開始します。

 あわせて、「MegaOakIBARSⅡ」「MAPSIBARS」ユーザに対し両社共同で、オンデマンドVPN(注5)によるセキュアなインターネット環境上で診療報酬改定・医療制度改定・薬剤マスタ変更等の迅速なシステム変更を可能にする「IBARSonline(アイバースオンライン)サポートサービス」の提供を開始します。(サービス開始予定:2010年3月)

 

 NECとNJCはこのたびの協業強化に伴い、両社合わせて500名規模の営業・SE・サポート体制で、拡販およびシステム構築・保守・運用支援を行ないます。これにより、今後3年間で「MegaOakIBARSⅡ」「MAPSIBARS」合わせて650セットの販売を目標に、両社の医療情報システム事業を強化してまいります。

 

 これまでNECとNJCは医療情報システム分野において、両社それぞれが医療事務システムの開発・販売を行っておりました。そうした中、協業の第一弾として、2006年に「MegaOakシリーズ共通リソースセンター」(注6)を共同で設立し、システムの導入支援やコールセンターサービスを開始しました。今回の協業は第二弾にあたり、医療事務システムの開発・サービス基盤を両社が共有することで、一層の連携強化を進めるものであります。

 

 昨今、全国の医療機関においては、電子カルテシステムなどITを活用した経営・業務改善への様々な取組みがなされています。さらに、2011年度には、原則として全ての医療機関においてレセプトオンライン請求が実施されるため、これに向けた業務運用や既存システム見直しの機運が高まっております。今回のNECとNJCの協業は、こうした市場動向に対応するものであります。

 

 協業強化の主な概要は以下のとおりです。

  1. NEC製 医療事務システム「MegaOakIBARSⅡ」の中核エンジンをNJCに提供し、NJCが「MAPSIBARS」の名称で製品化・販売を開始  
    • NEC製「MegaOakIBARSⅡ」は、患者受付から入院管理・会計・レセプト発行まで、医療事務の基幹業務をトータルにサポートするシステム。レセプトオンライン請求に向けた特長として、①これまで膨大な手作業を要していた院内での紙レセプトのチェック(記入漏れ/記入ミス 等)をシステム画面上で自動的に対応し、②審査支払機関(注7)から返却されるレセプト査定情報を様々な角度で平易に分析できる点がある。これにより、従来の人手によるレセプトチェックの作業工数を50%以上削減(注8)するとともに、業務/経営課題の「見える化」を実現する。
    • NJCが販売する「MAPSIBARS」は、「MegaOakIBARSⅡ」を中核エンジンとし、①中規模医療機関にご好評頂いている「MAPSシリーズ」の操作性(豊富な検索機能・きめ細かいガイダンス表示等)を継承し、慢性期医療機関向け機能として②ケアミックス対応(注9)、③精神科病院独自の統計処理等を搭載する。販売ターゲットは主に中規模の医療機関。
  2. 共同の「IBARSonlineサポートサービス」による効果的なシステムサポートを実現
    • 医療事務システムにおいては、診療報酬改定・医療制度改定・薬剤マスタ変更等が発生するため、これに対応するモジュール(以下 改定モジュール)を頻繁にリリースする必要がある。これまで、セキュリティ上の課題からシステムをインターネットに接続できなかったため、改定モジュールを媒体にコピーして持参または郵送でリリースすることが多かった。 今回、オンデマンドVPNでセキュアな環境を実現した「IBARSonlineサポートサービス」を「MegaOakIBARSⅡ」「MAPSIBARS」ユーザに提供、改定モジュールの迅速なリリースを可能にする。(サービスイメージは別紙ご参照)
    • 「IBARSonlineサポートサービス」は、NECとNJCが共同で設立した「MegaOakシリーズ共通リソースセンター」により提供する。(サービス開始予定:2010年3月)

 

<「IBARSonlineサポートサービス」イメージ>
IBARSonlineサポートサービスイメージ

NECならびにNJCは、ITを中心としたソリューションを今後さらに充実させ、ヘルスケア分野に貢献してまいります。

以上


※(注1) 代表取締役執行役員社長:矢野 薫、本社:東京都港区

※(注2) 代表取締役社長:田中 啓一、本社:東京都渋谷区

※(注3) レセプトは診療報酬明細書の略称であり、患者が医療機関で支払う負担額を除いた医療費の支払いを、医療機関が健康保険組合などの保険者に請求するために作成する明細書のこと。レセプト請求とは、このレセプトを審査支払機関に送付し費用請求を行なうこと。

※(注4) 2008年10月15日に発売

※(注5) インターネット上で利用者が必要なとき(オンデマンド)に仮想な専用線(VPN)を構築できるサービス。利用者を認証するために電子証明書を使う。

※(注6)「MegaOakシリーズ共通リソースセンター」プレスリリース

※(注7) 医療機関から請求のあった診療報酬が適正か否かを審査し、保険者に請求を行う公的機関

※(注8) NEC算定

※(注9) 医療と介護療養型の機能を併せもつ病院のこと


<本件に関するお客様からの問い合わせ先>

NEC 医療ソリューション事業部
TEL:(03)3456-6156
Eメール:press@med.jp.nec.com


NJC 医療・公共事業推進本部
TEL:(050)3000-1508
Eメール:iryou@njc.co.jp



<本件に関する報道関係からの問い合わせ先>

NEC コーポレートコミュニケーション部 岡島
TEL:(03)3798-6511
Eメール:h-okajima@ax.jp.nec.com


NJC 経営企画部広報担当 増田
TEL:(050)3000-1501
Eメール:staff@njc.co.jp