学校法人 明泉学園
フェリシアこども短期大学・鶴川高等学校 様

“小規模な大学に合ったクラウド” が選定理由
図書館に寄り添い、共に歩む姿勢も高く評価

学校法人 明泉学園では、フェリシアこども短期大学の新校舎建築を機に、附属図書館のシステム刷新を決断し、「ネオシリウス・クラウド」を採用しました。人的リソースの少ない小規模な大学にも合ったクラウドシステムと評価されたのがその理由でした。その後、分館機能により鶴川高等学校でも「ネオシリウス・クラウド」を活用し、学園全体における図書館システムのコスト削減も実現しました。

お客様プロフィール

明泉学園は、多摩丘陵という東京都の中でも自然豊かな環境の中にある学校法人です。フェリシアこども短期大学、鶴川高等学校(女子校)、認定こども園 フェリシア幼稚園 (フェリシアこども短期大学附属)などを運営しています。建学の精神の基幹を成すのは、「愛の教育」。創設者 百瀬泰男氏は敬虔なクリスチャンであり、同学では「神の愛」をもって教育や活動を行い、社会に貢献できる人材の育成をめざしています。

ポイント

  • 人的リソースの少ない小規模な大学にも合ったクラウドシステム
  • 使いやすいOPACなど「学生ファースト」ポリシーを満たす機能が充実
  • 図書館の意思を尊重し、寄り添おうとする姿勢を評価

「学生ファースト」の新校舎建設プロジェクト、中でも図書館に強い思い入れ

学校法人 明泉学園
常務理事 百瀬 義貴 氏

明泉学園は、ここ数年大きく動いています。短期大学は周囲の自然に調和する温かな木材基調の新校舎が2019年9月に完成。続いて2020年4月には、校名を鶴川女子短期大学からフェリシアこども短期大学へ変更し、その単一学科も国際こども教育学科として、グローバル化に対応可能な保育者を育成するカリキュラムへと充実を図りました。さらに、2021年4月からは共学化も果たします。学校法人 明泉学園 常務理事 百瀬義貴氏は、これらの決断の背景を次のように語ります。

「短大の旧校舎は老朽化が進んでおり、早くから建て替えを決断していました。当初は建て替えの義務感が先行していましたが、私自身が新校舎建築を楽しみ、学生や職員、地域に喜ばれる校舎をつくりたいと思うようになり、それからは、『周りの自然に溶けあう建物に』『毎日ワクワク楽しめる校舎にしたい』『学生が幸せなキャンパスライフを送れるように』と次々新校舎への想いが湧き出しました。建築家 隈研吾氏も私の思いに共感してくださり、今のような新校舎が誕生することになりました。大階段、大すべり台など学生たちに非常に好評です。また、今の時代や新校舎に合った校名ということで、幸せという花言葉を持つフェリシアを選び、本当に優秀な男性保育士を生み出すなら本学からという思いから共学化にも踏み切りました。すべては建学の精神『愛の教育』に基づく『学生ファースト』ポリシーから来るものです」

フェシリアこども短期大学
副学長 兼 附属図書館長 百瀬 志麻 氏

新校舎建設プロジェクトの中でも、同学が特に注力したのが附属図書館でした。学生と本の触れ合いを重視し、キャンパスの中心に設置されることになりました。フェリシアこども短期大学 副学長であり附属図書館長 百瀬志麻氏は次のように語ります。
「旧校舎では図書館は一番奥にあり、朝から夕方まで授業が入っている学生が立ち寄るには難しい場所にありました。お客様からは蔵書数や蔵書内容をほめていただくのに、学生の利用者は日に十数人ということもあって、活用されず悲しく思っていました。新校舎では、学生が忙しくても気軽に立ち寄れ、自主的な知的好奇心を満たせるよう、一番利用しやすい場所に図書館を置くことにしました」

“ネオシリウスは人的リソースの少ない小規模な大学にも合ったクラウドでした”

それでは新しい図書館をどのようなシステムで運用するか。建て替えのかなり前から検討が始まりました。同学は単一学科から成る小規模な短期大学であり、人的リソースも有限です。図書館職員の業務負荷を減らしたいという考えから、図書館長は当初からクラウドシステムを希望しました。実際、旧校舎では図書館内でオンプレミスのシステムを運用してきたため、現場ではさまざまな作業が発生していました。

たとえば、月次で必ずデータバックアップを取らなければならなかったり、地震や停電の際にデータ保存を気にかけたり、図書館業務以外のところで神経を使う場面が多かったそうです。その点、クラウドシステムであれば、そうした運用業務から解放されます。最終的に3社3システム(うち2つはクラウドシステム)で比較検討が行われ、採用されたのが「ネオシリウス・クラウド」でした。

図書館長は採用理由を次のように語ります。
「有名大学や大規模大学での採用実績や機能の多さは、本学にとっては意味がありませんでした。IT専任者もいない、図書館職員も限られるという小さな大学で、ほんとうに使いこなせるクラウドシステムはどれで、親身になってくれるパートナーは誰なのかという視点で選んだ結果です。また『ネオシリウス・クラウド』は分館が簡単に作れるとわかり、それなら年数が経って次の対応が求められていた鶴川高等学校の図書館システムにも導入しようということになりました。別々のシステムを導入するよりは、学園全体として経費の効率化が図れると考えました」

フェシリアこども短期大学附属図書館 OPAC

一方、図書館業務の現場という観点では次のような点が評価されました。
「利用される図書館をめざすべく、使いやすいOPACを備えていることや図書館から情報発信ができることを求めていましたが、『ネオシリウス・クラウド』はこうした点がすぐれていました。また、システム移行や移行後のサポート体制が心配でしたが、日本事務器は旧システムからの移行実績もありましたし、何より寄り添う姿勢を一番示してくれました。質問したら『いつまでにお返事します』『聞いてくださってありがとうございます』と答えが返ってきますし、『IDをどう運用されたいですか』など必ずこちらの意向を尋ねてくれました。“とにかくこちらに任せてください” ではなく、“一緒によい図書館を作っていきましょう” という温かい対応と姿勢に大きく共感しました」(フェリシアこども短期大学 附属図書館 担当者)

附属図書館の来館者増、高校の図書室費軽減など数々の導入メリットが

短期大学で「ネオシリウス・クラウド」が動き出したのは2019年春。旧校舎からの導入でした。これは、新校舎への物理的な蔵書引っ越しとシステム移行の同時進行を避けるためです。続いて2020年9月からは鶴川高等学校での利用も始まりました。

短期大学の新図書館はガラス張りで、外からも中の様子がよく見えます。また、学生の利用を最優先に考え、入口付近には来館される皆さんが関心を持つ絵本を置くなど配架を工夫しています。このように、利用しやすい場所、創造的な建築、「学生ファースト」の館内設計、これらの相乗効果から、来館者は大幅に増加しています。図書館に入るとまっすぐOPAC端末に向かい蔵書を検索したり、図書館ホームページ上の情報についてスタッフに尋ねたりする学生もいるそうです。

一方、高校では、女子校ということもあって、昼休みや放課後、図書室は学生たちの憩いの場になります。またクラスで選ばれた図書委員が「ネオシリウス・クラウド」を使って貸出・返却業務を難なく務めています。鶴川高等学校 図書室の担当者は次のように語ります。
「このシステムは大学と同じものと説明すると、安心したような表情を浮かべた生徒がいました。大学の図書館は難しくて近寄りがたいと思っていたのが、今使っているのと同じと聞いて親近感を覚えたようです。学校見学に来られる父兄にも好評です。図書室担当としてありがたいのは費用負担減です。図書館のシステム費用は学校の中でも比較的大きいものでしたので、大学のシステムに相乗りでき、帳票などもコンパクト化できて紙のコストも下がり、かなり気が楽になりました」

鶴川高等学校 図書室

大学図書館、高校図書室の担当者が共通して挙げた「ネオシリウス・クラウド」利用のメリットに、OPAC端末での書影表示と蔵書点検があります。検索結果に本の表紙が出てくるため、それをきっかけに学生が興味を持ったり、デザインを記憶して本を探しに行ったりするというのです。 また、蔵書点検はバックオフィス業務ですが、新システムでは日本事務器のサポートにより、図書館側がイニシアチブを取って行えるようになっています。

百瀬義貴氏は次のように語ります。
「元はといえば校舎というハードウェアの刷新がテーマでした。しかし、システムというソフトウェアを移行したおかげで、学生も職員も幸せになったようで、うれしく思っています。現時点の評価は100点満点です。しかし、これに満足せず、今後は120点、150点をめざし、図書館をよりよいものにするため末永く手を取り合っていきましょう」
未来ある学生たちが夢を育むクリエイティブな新校舎、その附属図書館を動かす心臓として選ばれたのは「ネオシリウス・クラウド」でした。

※鶴川高等学校図書室では、Nacsis-Cat以外の書誌を利用しています。

◆ NJCより

この度は「ネオシリウス・クラウド」を導入いただき誠にありがとうございます。
フェリシアこども短期大学様、鶴川高等学校様の学習環境の整備に貢献できているとのお言葉に社員一同喜びを感じております。

今回ご導入いただきました「ネオシリウス・クラウド」では、クラウド基盤としてAmazon Web Service(AWS)を採用しており、その高信頼性、可用性、拡張性、そして低コストでご利用いただけるというメリットを最大限に生かしたサービスとなっております。

また、実際にご利用いただいております図書館業務機能、利用者サービス機能は、長年、図書館システムを大学様に提供し続けてまいりました経験とノウハウ、そして「読書推進」という私たちが大事にしているビジョンを集大成したものとなります。

いただいたご評価に甘えることなく、末永く「ネオシリウス・クラウド」をご利用いただけるようこれからも精一杯努力する所存です。
今後もネオシリウス・クラウドのサービス改善に向け、ご意見やご要望をいただければ幸いです。

日本事務器株式会社 営業本部

 

※ 取材日程 2021年2月9日
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。