日本自動車販売協会連合会 東京都支部様 ~全てをクラウド(AWS)に移行する方針に切り換えました~
日本自動車販売協会連合会 東京都支部/東京自動車販売協会 管理部管理課 課長 手塚 裕明 氏 (写真上段中央)、主任 齋藤 洋平 氏(写真上段右)と課員の皆様に、Amazon Web Services(以下、AWS)上にシステム実行環境を構築・運用するサービスである「Ezharness HostingPlus」を導入した経緯と活用状況について、お話を伺いました。
自社でのサーバ管理から、「Ezharness HostingPlus」を使ったクラウドサーバへ
日本自動車販売協会連合会 東京都支部(以下 自販連 東京都支部)では「Ezharness HostingPlus」をどう活用していますか?
自販連 東京都支部では、2015年秋より、「従来は自社で保有・管理していた業務サーバを、すべてAmazon Web Services(以下 AWS)クラウドサーバへ移行する」というプロジェクトを開始しました。つまり「業務システム全体のクラウドへの引っ越し」を実施しています。
移行に関わる作業はすべて日本事務器に依頼しています(Ezharness HostingPlusを活用)。
具体的には次のとおりです。
- AWSでのクラウドサーバ構築
AWS内に「業務システムの移行先(※)」を確保。
※ AWS内の仮想サーバを指します。
- 「クラウドサーバへの業務アプリケーションの移行(引っ越し)」
「確保したエリアへの業務システムの移行」、「移行前・移行後のテスト」など。
- 「移行後のAWS運用管理」
「AWS上の仮想マシンの管理」、「amazonへの支払い代行、問合せ」など、事後の運用に関わる作業すべて。
現在、サーバ全8台のうちメール、DNS、データベースなど5台を移行しました。その他のサーバも今後、順次AWSに移行する予定です。
これらサーバは、以前は自社の建屋内に設置、保管しており、それはそれで「目の届く安心感」がありました。それを今回クラウド上に移行することには、ある種の不安や懐疑も伴いましたが、実際にはメールもデータベースも今までどおり快適に利用できています。「不安に思う必要など何もなかった」というのが現在の感想です。
自社でサーバを管理することの落とし穴
「自社サーバ基盤をAWSに移行する」と決めた経緯について教えてください。
2014年11月に起きた、データベースのインシデントが契機になりました。
その時はデータベースサーバが突然、「部分停止」の状態になったのです。処理可能なデータは生かし、止まった部分はリブートを繰り返すなどして対処しました。幸いこの時は業務を止めるほどの事故には至りませんでしたが、完全復旧は翌日の真夜中まで一日半かかりました。
その後、調査したところ、トラブルの原因はサーバのハードウエア障害でした。どうも「大きなトラブルがなかったので同じサーバをずっと使い続けていた」ことが良くなかったようです。
また、そのせいでサーバが旧機種となり、修理に必要な部品を素早く入手できなかったことも、復旧遅れの原因となりました(結局そのときは仙台からバイク便で取り寄せました)。
この他、前年の2013年、真夏の猛暑の最中にサーバ室の空調設備が停止したこともありました。そのときは部品交換で急場をしのぎましたが、もし今後もサーバの自社保有を続けるのなら、空調設備も更新する必要が生じてきます。
自社でサーバを保有、管理していると、つい「使えるものは使い続けよう」「動いているものはそのままにしておこう」となりますが、その運用の弊害、矛盾が噴出した形になりました。
こうなると「サーバを自社で保有、管理するのは、それ自体が根本的に間違っているのではないか・・・」と思えてきます。まずは担当者がネット検索で他社状況などの情報収集を行いました。そして知ったのがAWSなどクラウドサービスの活用、つまり「サーバは自社で保有せず、AWSなどクラウド上の仮想サーバを使う」という方法でした。
当初はクラウド化に難色。しかし・・・
「サーバ基盤のクラウド化」を初めて知ったその時の印象は?
まずは「今や世の中ではサーバを自社管理するのは少数派なのだな」「外に出す方が主流なのだな」と分かりました。確かにサーバを外に出せば、サーバや空調設備の維持管理コストは不要になります。
だからといって直ちにサーバのクラウド化を決めたわけではありません。やはり自社のシステムをクラウドという「海の向こうの不安定そうな場所」に置くのは躊躇があったので、まずは「国内データセンターへのサーバ設置。サーバは自社占有型。」という方向で検討することにしました。その方が堅牢で安心という印象があったのです。
しかし「データセンター(占有サーバ型)」の費用を調査したのですが、これが、びっくりするほど高額で、自社にサーバを設置しているのとたいして変わらない費用でした。それではアウトソースする意味がありません。
そんな時かねてから取引のあった日本事務器から「Ezharness HostingPlusを使って、AWSクラウド上にサーバ環境を構築する」「サーバ引っ越し作業は全て日本事務器が引き受ける」という提案があったのです。
サーバのクラウド移行に踏み切った理由
その提案を聞いて、どう思いましたか。
最初は「クラウド上の仮想サーバを使う」というコンセプトが上手く飲み込みませんでした。どうしてもクラウドと聞くと、不安定そうな、地に足がついていないイメージがあります。ましてや当支部では相当量の個人情報を取り扱っており、それをクラウド上に移行してよいのか判然としませんでした。個人的にはスマートフォンなどでクラウドに親しんでいましたが、業務システムとなると、最初は少し怖かったですね。
とはいえ検討の結果、最終的には日本事務器の提案を採用しました。理由は次の5点です。
理由1.「圧倒的なコスト差」
占有型サーバと比較した場合、Ezharness HostingPlus(含むAWS)の維持コストは半分以下でした。このコスト差は圧倒的でした。
理由2.「サーバ移行に関わる全ての作業を依頼できる」
日本事務器は「AWS上でのサーバ確保」だけでなく、「そのサーバへの業務システムの移行」「システムの事前の動作確認」「システム稼働開始後の運用監視」に至るまで対応していました。すべての作業をワンストップで依頼できるので安心感がありました。
理由3.「amazonとのやりとりを日本事務器に委託できること」
AWSはamazonという外資系企業が提供するサービスですが、日本事務器を通じて導入すれば、「導入後のAWSの監視・管理」「amazonへの各種問合せ」「amazonへのAWS利用料の支払い」などすべて日本事務器に委託できます。弊社は正直なところクラウドには疎く、知識も多くはなかったので、これがもしamazonと直接の交渉、やりとりが必要ということであれば、AWSの導入には二の足を踏んでいたと思います。しかし日本事務器を通じて導入すれば、我々は「問合せや障害対応依頼は日本事務器に対して行えばよい」ということになります。Ezharness HostingPlusを通じて導入した方が、AWS活用のサポート品質が向上すると期待できました。
理由4.「サーバの追加、削減が容易」
AWSを使えば「サーバ資源の利用量」の追加も解約も自由にできます。つまり、時々の必要に応じて、サーバの台数やスペック(※)を「増やす、減らす、変更する」ことが手軽に可能なのです。これはサーバの自社管理やデータセンターに比べ、身軽さ、柔軟さの点で大きなメリットとなります。
※ AWS上の仮想マシンの台数、CPU、ディスク容量を指しています。
理由5.「サービス停止時間の減少(可用性の向上)」
いま私たちが入居しているビルでは、年末に「停電を伴う全館の保安点検」が実施されることがあります。停電となれば、自社管理サーバは当然、停止せざるをえません。この場合、「ナンバープレートの希望番号申込」「車検申し込み」など会員向けWebサービスの受付も一時停止することになり、良くありません。しかしサーバをAWSに移行すれば、「定期点検の停電に伴うサービス停止」はなくなります。これは会員向けサービスの可用性向上の点で大きなメリットです。
以上、5つの理由により、日本事務器のEzharness HostingPlusを通じてAWSを導入することを決めました。2015年5月のことです。
Ezharness HostingPlusへの評価
Ezharness HostingPlusによりAWSへの移行を開始して、約半年が経ちました。これまでの評価をお聞かせください。
大きくは「システム利用の快適さは自社でサーバ管理していた頃と全く変わらず、ただコストだけが下がった」という印象です。
正直、データベースサーバのAWS移行については、本当にきちんと稼働するのか漠然とした不安がありましたが、実際は移行後も全く変わらずスムーズに業務が行えたので、安心を通り越して、拍子抜けしたほどです。導入前にいろいろ心配していたことは、まったくの取り越し苦労でした。
今後の期待
日本事務器への今後の期待をお聞かせください。
自販連 東京支部では、今後もサーバ基盤および業務アプリケーションのクラウド化を進め、業務効率化とコスト削減を推進する方針です。日本事務器には、そうした取り組みを、優れた提案、サービス、サポートを通じて後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。
(社)日本自動車販売協会連合会 東京都支部
設 立 | 昭和39年7月1日(平成15年に東京自動車販売協会と一本化) |
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事業概要 | 日本自動車販売協会連合会は、自動車の健全な普及と流通・環境面の改善、整備を図るため、1959年に設立された自動車ディーラーの全国組織です。車検証とナンバープレート登録申請の代行を主な業務とし、環境マイスター認定制度や交通安全活動も行っています。東京都支部では東京都内の54カーディーラー向けに代行業務をしており、2015年には、25万台以上の新車並びに22万5000台の中古車の登録代行を行いました。 |
URL | http://www.tokyojihan.jp/ |
※ 取材日時:2016年3月
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