第21回図書館総合展(2019年11月12日(火)~11月14日(木)開催)のポスターセッションについて、京都産業大学文化学部むすびわざブックマラソンチーム様へ日本事務器賞の授賞式を行いました。
■学校概要
名称:京都産業大学
1965年設立の私立大学。「如何なる時局に当面しても、常に独自の見解を堅持し自己の信念を貫き得る学生の育成」を建学の精神とし、日本固有の文化の特質や歴史的な意義を深く理解するのみならず、世界各国の文化や文明に通暁し、世界で通用し得る見識と国際感覚を身につけた学生の育成に努めている。
(京都産業大学公式ホームページ建学の精神、教学の理念より引用)
大学様側でも受賞について取り上げていただきました。
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20191218_190_hyousyou.html
2019年12月18日、京都市にある京都産業大学様へお伺いし、NJCから賞状と記念品の贈呈を行いました。贈呈の際は、文化学部の1年生約350名の前で表彰式を開催していただき、式後、京都産業大学文化学部むすびわざブックマラソンチーム様の活動について詳しくお話を聞かせていただきました。
図書館総合展のポスタータイトルは「京都産業大学文化学部ブックマラソン:デジタルブックシートと学生フォーラム活動」。
ブックマラソンとは、本を読破した後、また別の本を読み…と、長距離走のように継続的に本を読み続ける、という取り組みのこと。文化学部むすびわざブックマラソンチーム様では、年間読書量が多い学生への表彰会、読書会といったフォーラム活動や、ブックマラソン攻略本の発行など様々な活動を行っており、読書に対する学生のモチベーションを高めています。
「ブックマラソンを通し、学生同士が読書体験を共有する。」「本を介したコミュニケーションを行うことで、より深い学びと対話の共有を行う。」そうした活動が、当社の読書推進活動の思いと重なっていること、また、教職員だけでなく、チームを構成する学生たちが主体となり、読書を通して得た思いや学びの共有に積極的に取り組んでいることなどから、この度日本事務器賞をお贈りすることになりました。
京都産業大学文化学部では教員の推薦図書を中心に文学・史学・思想の3分野の図書から『4年間で100冊の本を読む』ことを目標としています。この活動は2017年に文化学部の教員が立ち上げ、2018年からは有志の学生が活動の運営委員会となり、現在では学生が中心となって活動が行われているのだそうです。
ブックマラソンに参加する学生は、運営委員会オリジナルの「デジタルブックシート」に読破した本の情報(書名、著者、概要、おすすめポイント等)を記入していきます。デジタルブックシートは、学生がPC端末などから入力でき、オンラインで担当の先生へ提出するルールになっているのだそう。概要や記入の仕方については、漫画部とコラボレーションした「ブックマラソン完全攻略ガイド」という漫画で分かりやすい小冊子を作成されていました。
しかし、いかに手軽とはいえ、ただ仕組みを作っただけだと、学生はあまり参加してくれません。そこをフォローするのが「文化学部むすびわざブックマラソンチーム」の活動です。週に1回、曜日を決めてフォーラム活動を実施したり、忙しい学生たちに馴染んでもらえるよう、年に2~4回のペースで「MOSOバーガー」、「おみくじトーク」、「54文字の物語」といった、タイトルだけで興味をそそられるイベントも開催しています。
「ブックマラソン」の取り組みを知ってもらうため、ゼミの先生達にも、講義の際に案内ビラを配布するなどの協力をしていただいたり、オープンキャンパスにもチームで参加し、未来の京産大生に活動を紹介したりと、学内での周知に努めています。学生が主体となって2019年で2年目となり、フォーラム活動への参加者も徐々に増えているそうです。
今回、図書館総合展ポスターセッションに参加したきっかけは、文化学部むすびわざブックマラソン運営委員会をされている大平先生の提案から。ポスターの準備期間は2週間という短い期間になってしまったそうですが、やるからには本気でやろう!と思い、学生同士で協力してポスター制作に当たりました。ポスターに書くことを決める中で、チームがやってきたことを振り返ることができ、統括するいい機会になったそうです。
また、図書館総合展で、他のチームが行っている様々な読書推進の取り組みを知ることができたことも、大きな収穫と仰っていました。今回日本事務器賞という形ではじめて外部から客観的な評価を受けたことによって、自分たちの取り組みやその方向性は間違っていないと自信を持つことができたというお話を伺い、私たちNJCスタッフもささやかながらお力添えできたことを嬉しく思いました。
ブックマラソンの運営委員メンバーの学生は、イベントのたびに振り返りをし、次回はより良いものにしようと試行錯誤しているそうです。メンバー同士で活動についてとても楽しそうに、時には真剣な表情でお話されており、普段から学生自身が「何ができるか」を考え、実行に移されていることを感じました。新しい活動にも意欲的で、当社の読書推進活動の話を聞き、自分たちの活動にも取り入れられないかとその場でディスカッションをされていた姿が印象的です。
そんな熱い思いを持ったブックマラソン運営委員会の皆さんの今後の活躍を期待するとともに、私達も運営委員会の皆さんのように、新たなものを柔軟に取り入れ、読書推進のためになにができるかをこれからも考え、どんどん実践していきたいと思いました。
取材に応じていただいた京都産業大学文化学部むすびわざブックマラソンチームの皆様、本当にありがとうございました。
■クレジット
※ 取材日程 2019年12月18日
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。
■追記(2020年9月17日)
2017年度から始めて、本来であれば2020年度が4年目。活動を始めた時に1年生だった学生達がゴールするはずの記念の年でしたが、コロナ禍で春学期はオンライン授業となり、せっかく作った「むすびわざブックマラソン公式ガイドブック2020」を配布できたのも9月に入ってからとなりました。しばらくは慌ただしい時期が続きましたが、この上半期もオンライン上で活動を継続されているそうです。有志による読書会を開催したり、学生が記入したブックシートの運用管理を見直しアプリ化への検討をしたりと、日々できることに取り組んでいるとのことでした。
また、2020年の図書館総合展への参加も決定されたそうで、コロナ禍の中で実施された取り組みやオンライン上での活動について、詳しいお話を伺えるのが今から楽しみです。
弊社は、ICTサービスの側面から、本とお客様がつながることを支援するとともに、図書館コミュニティを盛り上げ、そして日本の読書環境をより良くしたいと常に考えておりますので、この授賞をきっかけに、ぜひこうした活動のお手伝いができればと思います。
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