日本罐詰株式会社 様

「北海道・十勝から、1000軒の生産者が愛情を込めて育てたおいしいコーンを、収穫と同時に缶詰にして、全国に届けています。生産管理システムと販売管理システムを連携させて、過剰在庫の削減と決算早期化を実現しました。日本罐詰株式会社 管理部 システム課長 木原圭一氏」

北海道・十勝の地でスイートコーンの缶詰を中心とした生産を行っている、明治乳業グループの日本罐詰様では、月次決算の早期化、在庫管理・原価管理の精度向上をめざしてCORE Plus qbic Food販売管理システムおよび生産管理システムを導入されました。

同社を訪問し、情報システム導入の目的および効果について詳しくお話を伺いました。

1000軒の生産者と直接契約、おいしさと安心を提供

日本罐詰様の主要製品

主要製品の写真

プロフィール

所在地 北海道河西郡芽室町西9条9丁目1番地
設立 昭和23年12月29日
資本金 314,176,400円
年商 61億円
従業員 88名
代表者 代表取締役社長 田原 秀人
事業内容 オートメーション化された缶詰工場で主力とするアヲハタスイートコーン缶詰(国内生産の80%程度)を生産、新鋭設備により調理冷凍食品・冷凍野菜などを生産
事業所 東京営業所
十勝工場
芽室工場
URL http://www.n-can.co.jp/

日本罐詰様の業態についてお聞かせください。

当社は1950(昭和25)年から、直接契約栽培によるスイートコーンを中心とした製品の生産を行っています。種の手配から、肥培管理、生産履歴、収穫まで、契約農家と共同作業で作物を生育することにより、安全で安心な原料を育て、それを製品に使用することで、原料から製品まで一貫したトレーサビリティーを確立しています。

十勝・芽室町のスイートコーンの作付面積は日本一です。

日本罐詰の契約農家は十勝を中心に1000軒以上、特に主力のスイートコーンは契約面積2,354ヘクタール、これは東京ドーム500個分になります。そこで収穫された採れたてのコーンを、1日1200トンの東洋一の生産能力を持つ工場で最短2時間で缶詰にして、全国に出荷しています。

缶詰工場
缶詰工場
調理冷凍食品工場
調理冷凍食品工場
冷凍野菜工場
冷凍野菜工場

月次決算の早期化が課題

― 今回のシステム導入前にはどのような課題があったのでしょうか。

一番大きな課題は、月次決算の早期化でした。

当社は明治乳業グループの一員であり、より早く業績情報を開示するために、明治乳業のスケジュールに合わせた月次決算が求められます。そのスケジュールも年を追ってますます短縮されてきました。この要求に対応するには、決算業務のスピードアップと精度アップが必要であり、情報システムも、製造原価、販売、在庫、会計などのデータをタイムリーに連携させる必要があります。しかし当時稼動していた情報システムでは、生産管理と販売管理が別々に稼動していたため、データのチェックや再登録といった作業が多く発生し、月次決算を早期化することが困難な状況でした。

また、従来のオフコンシステムではデータの照会や加工が自由に行えないなど、現場からの改善ニーズが多く出されてきたということもありました。

販売管理システム、生産管理システムを更新

― どのように課題解決に取り組まれましたか。

まず、業務・システム改善のためのプロジェクトを組んで、明治乳業の支援も得ながら、現状分析と課題抽出を行い、そこから業務のあるべき姿・方向性を描いていきました。そして、現状業務の改善活動、業務改革を行うとともに、販売管理・生産管理システムを更新し、一次ステップとして販売管理システムを2007年3月から、二次ステップとして生産管理システムを2008年4月から稼動させました。2010年3月からは、弊社独自に開発した、種の手配から収穫、契約農家への支払いまでの生産情報を管理する原料システムを稼働させました。

販売管理・生産管理システムは、数社を比較検討のうえ、NJCのERPパッケージCORE Plus qbic Food生産・販売システムを導入しました。

今回、システム導入が成功した大きな理由の1つに、業務改革を並行して進めたことがあると思います。現状業務をそのままパッケージに乗せようとすると、どうしても無理が生じます。現状業務には、誰が何をやっていて、何を悩んでいるのかが見えない部分、いわゆる「グレーゾーン」があります。これをそのままシステム化しようとすると、膨大なイレギュラー処理を作成しなければならなくなり、処理が複雑化し、業務に遅れや誤りが増えてしまいます。

事前に現状業務の洗い出しをすると、このような「グレーゾーン」が見えてきます。あるべき姿を議論し、新たにルールを作ることで業務を簡素化、迅速化することができ、パッケージシステムにも適応させやすくなります。さらに、このプロジェクトによって、部門をまたがって、全社的に、皆で協力して業務改善を行おうという雰囲気が生まれ、システムが導入しやすい環境になったと思います。

日本罐詰様 導入システム構成図

ご導入システム

― COREPlus qbic Foodを選んだ理由をお聞かせください。

一次ステップの販売管理システムの検討時はオフコンシステムを強化しようという案もありましたが、NJCさんからパッケージの紹介をいただきました。パッケージの良さである、短期間での運用が可能なこと、またCOREPlus qbic FoodはERP(統合業務システム)ということで、今後、生産管理システムも考えたとき、決算早期化の課題解決のためにはERPがベストと考えました。

当初は当社単独で検討していましたが、明治乳業グループとしての業務処理・会計処理の方針に適合したシステムを採用することで、他のグループ企業への展開も可能であるため、明治乳業も参画し検討を行いました。COREPlus qbic Foodは全体的に細かく考えられており、使い勝手が良いという評価をしました。最終的には、販売・生産・会計を連携させることができるERPであることが決定要因となりました。

決定後になりますが、導入時において、NJCさんの、納期を遵守するという姿勢と、そのためのサポート体制も成功の要因だったと思います。

導入効果

― CORE Plus qbic Foodの導入効果についてお聞かせください。

CORE Plus qbic Food販売管理・生産管理の導入により、以下の具体的な効果が出ています。

1.月次決算の早期化

  1. 製造原価の確定について、あとでお話しする、日々の数値の精度の向上により、集計が早く行えるようになりました。異常値や確認したい数値があったときも、CORE Plus qbic Foodはさまざまなデータの照会機能がありますので、すばやく原因の特定、もしくは推定ができるようになりました。
  2. 製造原価の確定後は、その情報が販売管理システムに連携されて、売上原価、製品在庫数量・金額が自動計算され、会計の締めが早く正確にできるようになりました。
    売上原価に関しては、総平均の棚卸評価単価について、旧システムでは前月単価を採用していましたが、CORE Plus qbic Foodは当月単価を計算することができますので、決算精度向上にも役立っています。
    販売管理システムで行う見本などの払い出しについても、会計を意識した区分をつけて管理されており、月次決算確定時にスムーズに確認を行うことができます。
  3. 得意先への請求書の確定については翌月2日までに行う必要があります。そこで、得意先に確認していただく日程を早めるために、月末に請求書を出し、夜間に全件に自動FAXで送信し、翌朝に確認を取っていただいて、2日後には確定できるようにしています。夜間に自動で全得意先にFAXを送信することは、システム化無しには考えられません。手作業では不可能です。実は、ある得意先から、FAXは他社に間違えて送信する可能性があるからやめてほしいという要望があったのですが、自動FAXなので間違えません、と回答し、納得いただきました。

2.原料・資材の発注業務の効率化

原料・資材の、何がどれだけ足りないかがすぐにわかるようになりました。生産管理システムの所要量展開の画面を見れば、来週必要なもので足りないものが赤文字になって表示されます。1つの画面で全ての資材の足りる、足りないがわかるようになりました。以前のシステムでは、アイテムごとに確認しなければならず、共通の原料・資材を別々に確認しなければなりませんでした。さらに、原料・資材管理と発注が別システムであったため別途入力が必要でした。新システムで業務が格段に効率化しました。

3.原料・資材の在庫精度の向上

従来のシステムでは原料・資材の日々の払い出しを入力しておらず、完成数量からレシピ展開した理論値の使用量で管理していました。例えば、原料をレシピより多く使った場合、理論値での計算よりも早く在庫切れを起こしてしまう、ということになります。そのため、どうしても多めの発注、早めの発注を行っていました。新システムの導入に伴い、日々の払い出しをシステムに入力するように業務改善しました。このことによって日々の実際の在庫の動きがわかるようになり、今では、必要なときに必要な分だけを発注することができるようになりました。製造原価の精度向上にもつながっています。

4.賞味期限管理による廃棄ロスの減少

原料の在庫をロット別、賞味期限別にシステムで管理できるようになりました。受け入れたときに賞味期限入力を行うことにより、従来は製造現場でしかわからなかった賞味期限情報を常に生産管理部門で把握できるようになりました。賞味期限切れ間近の原料情報を事前に把握して、該当の原料を使う製品をなるべく多く生産計画しています。OEM製品の場合も、期限切れ1カ月、2カ月前から、お客様に先作りのお願いをすることができるようになりました。このことで、賞味期限切れによる廃棄ロスを2割削減させることができました。

今後の活用

― 今後の活用についてお聞かせください。

製造現場の作業効率化を考えています。製造現場と生産管理システムとの連携、例えばバーコードを利用した作業チェック、計量システムと生産管理システムとの連動や、製造の各部門で一部残っている手作業での情報管理のシステム化を考えています。

NJCさんには継続的な提案を期待しています。

― どうもありがとうございました。

お話を伺った方々

日本罐詰株式会社 管理部
(左から)
システム課 主任 阿部 満憲 氏
業務課 本間 夕貴 氏
業務課 寺井 智恵美 氏
システム課 課長 木原 圭一 氏